セッション(1日目)
④科学的に正しい自信のつくり方/h1>

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テーマ

科学的に正しい自信のつくり方
~コミュニティ全体を動かした事例より~

コーディネーター

下田哲広((株)キャンサースキャン)

サブコーディネーター

若林巧貴(身体教育医学研究所うんなん)

内容 プライベートでも仕事でも常に自分らしく居るには、どうすればいいのでしょう。
本セッションでは、仕事・人生にも通じる適切な自信のつくり方を、
科学的な知見やコミュニティ全体を動かした事例も踏まえて皆さんで学び合います。
レポート

健康学習学会にコーディネーターとして参加させていただいてから早3年がたったものの、毎回どたばたの連続で、とても余裕をもってセッションを運営するところまではいかない感じでした。私たちがテーマとして掲げたのは「科学的に正しい自信のつくり方」ということでしたが、そもそも自信の作り方をご紹介する立場であるコーディネーターの本人たちが果たして自信にあふれていたかというと怪しいところもありました。しかも私が当日に風邪をひき、元気いっぱいの若林さんと対比されてしまうようなどんよりした感じであったことは申し訳ない限りです。それでも、最終的にセッションが終了したときには概ね好評をいただき、私たち自身も多分に学ぶことがあり、やってよかったという気持ちを強くしました。健康学習学会のいいところは、セッションに参加する側が一方的に情報を得るというものではなく、コーディネーターも含めて一緒に学びあうところだと思います。私自身毎年この学会に参加させていただくようになり、自信や知識といったものを日々の仕事の中でかなり有効に活用することができているので、とても大きな経験だなと改めて感じた次第です。

私たちのセッションの内容に関してですが、前述の通り自信のつくり方、というテーマで参加者と一緒にお話を作っていきました。研究の分野では「自己効力感」、つまり自分がある事柄を達成することができる自信、と言われたりしますが、これを70年代に初めて提唱したのがカナダ人心理学者のアルバート・バンデューラ博士です。私たちはこの「自己効力感」という考え方について、どのように高めていくことができるのか、を事例や研究を交え情報提供とグループワークの中で学びあっていきました。

自己効力感を高めるためには、「意識の高揚」「言語的説得」「成功体験」をはじめとしたいくつかの要素が重要とされています。例えば「意識の高揚」は当該の問題に対して興味を持ち、課題を乗り越えていくことについて面白いと感じるかどうか、という感情の動きに関する要素です。また、「言語的説得」は周りの人たちからの言語的サポートや、課題を乗り越えることができるという説得的要素を指します。最後に「成功体験」は、その言葉の通り、ある課題を自身が乗り越えることによって自信を生じさせるような体験が該当します。私たちのセッションでは、このような自己効力感の獲得に関する理論的枠組みをご紹介した上で、若林さんが実際に体験した雲南市の運動キャンペーンを成功に導くまでのストーリーを事例としてご紹介してくださいました。まず初めに地域の運動作りの拠点となっている施設の施設長さんに運動キャンペーンの企画を持ち込んだところ、「お前の話はつまらん!遊び心がない」と一蹴されてしまったそうです。普通はそこでひるんでしまい企画倒れになってしまいそうなところ、若林さんの同僚は「むしろチャンスじゃないか」と声掛けしてくださったそうです。これは先ほどの「言語的説得」にあたる部分かと思います。その上で再度企画を練り直して持ち込むなど精力的な活動を続けていくうちに、その課題に立ち向かうことが「面白い」と思うようになったとのことです。これが「意識の高揚」にあたる部分かと思います。最終的には、施設長も若林さんの企画を快諾してくださり、大規模な運動キャンペーンが実施され、かつ住民の反応も非常によく、今後も継続されることになったとのことです。これが「成功体験」ですね。

セッション当日は、この話に基づいて「自分が興味を持っている重要なこと」を考えていただき、何が面白いのか、周りから得られているサポートは何か、現状できていることは何か、と気づきを持っていただき、翌日から一層ポジティブに活動していただけるようまとめを行って終了となりました。

最後に、参加者の皆様、学会運営に関わる皆様に対して、感謝申し上げます。

 

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