セッション(1日目)
①人生 100 年時代を見据えたコミュニケーションを考える
~健康学習ベーシック~

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テーマ

人生 100 年時代を見据えたコミュニケーションを考える
~健康学習ベーシック~

コーディネーター

野村悠(川崎市立多摩病院救急災害医療センター) 

サブコーディネーター

桐生育恵(たーの会)

アドバイザー

植村瑠美(健康支援BonAppetit)

内容

100年の人生を豊かにするための方法をご存知ですか?目の前の悩み事や困り事が無くなれば解決
・・・とはなりませんよね。あなたの「生活や人生(LIFE)を多面的に捉えることで人生は豊かになる!」これが健康学習の基本概念です。人生を豊かにするためのコミュニケーションをみんなで一緒に学び合いませんか?きっと明日から使えるよ♪

レポート

4年目を迎えた当セッションの今回のコンセプトは『人生100年時代を豊かに過ごすために生活や人生を多面的に捉えることが健康学習の基本概念である』とした。 過去3年にわたり健康学習ベーシックでは、健康学習の基本概念を(1)『健康に対する発想の転換』、(2)『相手の本音を引き出し、気づきを起こすコミュニケーション技術』の2本柱として提示している。昨年からは(1)の『発想編』だけを取り扱うこととしロールプレイの時間を増やした。加えて今年の学会では、昨年のセッション中に要望のあった『デモンストレーション』を取り入れ、参加者がロールプレイの内容をイメージしやすくなるよう試みた。大きな流れは昨年同様とした。

 

[導入]

野村の進行により、参加者自身の健康学習との出会い、今回学会に参加するに至った経緯などをグループで話し合って頂き自己紹介を兼ねた。

 

[本題]

①アドバイザー植村により、『一時期心肺停止で生死をさまよったものの完全に社会復帰し家族と旅行ができた高齢女性の生き方』を軸に、『健康とは元気と病気の調和である、元気と病気の二軸の関係』について紹介した。②続いてサブコーディネーター桐生により、『いつも不機嫌そうに保健指導にやってくる中高年男性の本音が聴取できたやり取り』を提示しながら、『多面的視野で物事をとらえる、3つの論理』について紹介した。 続いて、今回新たな内容として『病気-住民位置関係』を加えた。目の前の相手が病気や課題を自分事としてどの程度捉えているか、その距離感によってアプローチを変える必要がある、というものである。そして、ある中年男性の生き方を例に取りグループワークを行い、その人の人生をどう考えるか参加者に『元気と病気の二軸の関係』と『3つの論理』を意識して考えて頂いた。③最後に野村から、『入院を続け延命を望むよりも自宅に戻って家で最期を迎えたいと望んだ高齢男性の生き方(逝き方)』をもとに、『発想を拡大するためのアプローチ:POS、WOS、GOS』について紹介した。ここでは、『仕事をしているがそれとは別にやりたいことがあり、今のままの仕事や人生でいいのか悩む一般社会人』の例も追加して非保健医療福祉従事者にもイメージしやすいようにした。

 

[ロールプレイ]

セッションの後半は、①『元気と病気の二軸の関係』、②『3つの論理』、③『POS、WOS、GOS』を利用して、参加者同士でのロールプレイを行った。1回目は医療者と非医療者と別々に二人組を作りテーマを分けて行った。その後、スタッフによるデモを供覧してから、再度同じペア、同じテーマで2回目のチャレンジをして頂いた。最後に職種無関係に席替えを行い3回目のロールプレイを行った。 この間にコミュニケーション技術として「相手の思いを引き出す『尋ね方の6つのポイント』」「相手の気持ちを整理する『返し方の4つのパターン』」について簡単に紹介した。

 

[まとめ]

最後にあらためて、①『元気と病気の二軸の関係』、②『3つの論理』、③『POS、WOS、GOS』について口頭で整理し、参加者自身の発想やコミュニケーション手段の新たな引出しとして健康学習の考え方を利用して頂きたいことを伝えて終了した。 昨年要望のあった「コーディネーターのデモがみたい」、「保健医療福祉従事者以外の参加者もロールプレイしやすいテーマを設定した方がよい」という意見に対して今年のセッションで追加してみたものの、参加者にうまく伝わったかどうか評価できていないため、当セッションにご参加頂いた読者のみなさまにはご意見ご感想を頂きたいところである。 最後に、当日のセッションを一緒に作り上げて頂いたすべての参加者のみなさまに深謝いたします。ありがとうございました。

 

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