コラム

人はつながっている(第2回) ~物理学と健康の不思議な関係~


 社会は、それを構成する人間同様、大変複雑なものです。よく見知った、たった一人の行動を変えることさえ難しいのに、ましてや大勢の人間を動かすことは、はてしなく困難な営みのように思えてきます。

また、真面目に問題に取り組む人ほど、「結局、大きな変化を起こすには、政治や社会制度を変えないと、どうしようもないな・・・」と、無力感さえ抱いてしまうかもしれません。しかし、社会を変えるという営みは、本当に「政治改革」のような大きな解決策を必要とするのでしょうか?身近なところからコツコツと変えていくことに、何の意味もないのでしょうか?

今回はそのような疑問について、考えてみたいと思います。具体的には、「社会が変わるメカニズム」について、最新の研究を通して、みなさまと考えていきたいと思います。まずは、時計の針を400年ほど戻し、「大航海時代」と呼ばれた時代のある事例をみていきましょう。